2011年9月21日水曜日

42歳からの子育て・・・生後1ヶ月と24日(カムバック東京)

<父の腕に抱かれて>
私の故郷は札幌。
高校卒業後、大学進学のため東京に来て、仕事を始め、約25年あまり。
思いがけず、赤ちゃんを授かったおかげで、久しぶりに札幌生活を楽しんだ。
6月末から約3カ月。妊婦中は毎日懐かしい場所を歩きまわった。
母校の札幌南高校の通学路、豊平川、中島公園。
そして、幼少期から通い詰めた月寒公園。
街の中心部、すすきのや大通り公園は、学校帰りや塾帰りに友人たちとよく出かけた
思い出の場所。でも、パルコとか大きなショッピングビルの店はすっかり様変わりしていた。

樹和(みきお)も生後1か月を過ぎ、私の身体もようやく復調した。
いよいよ夫の待つ東京・町田に戻ることに。

いつも思うんだけど、帰省するときは、「札幌に帰る」と言い、
また、東京に戻るときにも、「東京に帰る」と言う。
私の故郷はずっと札幌で変わらないが、いまや東京にも戻る場所、自分の住処・家族がいる。
やはり、カムバック東京!なのだ。

9月18日(日)札幌は肌寒く、曇り空。
いよいよ、という別れ際に、迎えにきてくれた夫イチロウに両親と樹和、私の記念撮影を頼む。
母は「さびしくなるわね。みきおくんの泣き声が聞こえなくなるのは・・・」と。
生後直後から、約1ヶ月半。日々成長する孫の姿をそばでみたのは初めてだったから、と母。
産前産後の家事ほとんどすべて、そして産後のみきおの育児のサポートまで、
すっかり甘えてきた。これから、私とイチロウが仲良く大切に育てること。
大きく元気に育った孫の笑顔を見せることを母への恩返しとしよう。
父はいつもの通り穏やかな笑顔で、玄関の外で見えなくなるまで手を降ってくれた。

東京までの(赤ちゃんにとっての)長い道中、多少の不安はあった。
公共の交通機関に乗るのは初体験だった。
結果、空港までの車中も、ずっとおっぱい。
空港では一瞬、すやすやモードだったけれど、飛行機に入った直後は起きてしまい、
またまたずっとおっぱい。
授乳ケープ、大変に役にたちました。

とにかく、夫も非常に心配していたのが、飛行機の離陸・着陸時の高低差。
小児科の先生からは、赤ちゃんは自力では耳抜きできないので、おっぱいかミルクを飲ませて、と指導されてきた。結果的には、ずっとおっぱいを飲み続けていたので(ただくわえてただけの時間もあったけど)、肝心の離陸時にも、着陸時にも、問題なく、泣きだすことなく、無事に過ごせた。

ところが、「あー、よかったよかった。よく頑張ったねー!みきお」と言いながら、飛行機を降り、
授乳室でオムツを替え、到着ロビーに向かう途中、急に、ぎゃんぎゃんと泣き始めてしまった。
夫イチロウは抱っこしながらおろおろ・・・。

でも、そりゃあ無理もないと思った。
初めての電車、飛行機と乗り継ぎ、降り立った羽田空港は、大勢の人、聞きなれない音楽、雑音、
飛行機の離発着のナレーションの声など、そりゃあ、1か月半の赤ちゃんにしては、いままでになく
とんでもなく騒がしい環境に飛びこんでしまったことになる。
近くのバーカウンターでお湯をもらい、多めにミルクを作った。
急いでバスに乗り、10分ほど揺られ、駐車場につき、車中のベビーチェアに座らせる。
そして、ミルクを飲むことによって、ようやく落ち着いた。

ミルクを飲み終わり、最初は良かった。
大都会の景色、見慣れぬどんよりした空、そして北国から一転して亜熱帯東京の湿気、熱気・・・。
1ヶ月半の赤ちゃんの脳みそに、どーっと、信じられないくらい大量の刺激が与えられてるんだなあ。
目を見開いて、くるくるさせながら、外を見つめている。
(ココ、ドコナンダ?ナニ?ナニ?)

15分くらいしたら、飽きてしまったのか、疲れてしまったのか、大泣きが再び寄せてきた。
車中での抱っこは危険。とにかく、ベビーチェアに縛り付ける。
泣いてもわめいてもそれだけはきまり。
みきおにはここは耐えてもらうしかないねと、夫も私も、ひたすら声をかけるしかなかった。
「みきお、もうすぐお家につくからね。あと30分ぐらいだからね。がんばれーみきお」

通じるとも思えないけど、声をかけるしかない。
夫にいたっては、こと細かく、説明をしだした。
「みきお、あと10分でつくよ。いま渋滞にはまってしまったからね。しかしこの角をぬければ、
そのあとはスムーズにいくからね。みきお、わかってるよね。あと少しだからね」
わかるはずはない。つらいのは変わらないのだから、ひたすら、ぎゃんぎゃん泣き叫ぶ。

「しかし、いい運動だよね。これもね」と納得するように、わたし。
「みきお、元気だよ、こんだけ泣き叫んでも疲れないんだから、えらいえらい!」と夫。

ようやく町田のはずれの自宅についた。
カムバック東京!
私も3ヶ月半ぶりに我が家に戻れて嬉しかった。
急いで、みきおにおっぱいをあげる。
泣き疲れても、まだなお、必死におっぱいにかぶりつく、元気なみきお。

「ここがみきおのお家なんだよ!」と、抱っこしながらみきおに語りかけた。
おっぱい後、元気になったみきおは、初めての部屋、壁、窓の外の風景などを
きょろきょろと見まわす。何度も何度も。新たな刺激に脳みそのシナプスが弾けているようだ。

みきおにとっては、ここが故郷。
出産の地は札幌ではあるけど、でも、君のホームタウンは東京・町田になる。
変な話だけど、この子の命が誕生したのは、まさにこの自宅の2階の寝室なんだ。
寝室にあがり、3人でベットに寝そべった。

疲れた。そして、なんて蒸し暑い東京。
でも、やっと3人生活がスタートする。
私にとっても、ここが第二のホームタウン。
札幌の街の素晴らしさ、過ごしやすさは何ものにも変え難い。
故郷の実家の心地よさは一生もの。
でも、ここが私たち3人の、みきおと一緒の新しい生活の場。
カムバック東京だ。

さてと、、、始まる。

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